親指シフトキーボード?富士通販売停止発表、なぜ?

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1980年に発売されたワープロソフト「OASYS」でデビューを果たした親指シフトキーボード。5月20日、親指シフトキーボードと関連製品の販売を2021年5月までに終了すると発表しました。

現代も多くの方々が愛用する中、40年間の歴史に幕を下ろすことになりました。なぜ親指シフトキーボードが販売終了してしまうのかを調べました。

親指シフトキーボードってなに?使っている人いるの?

親指シフトキーボードとは、“かな入力”をする為に富士通が1979年に考案したキー配列の一種です。ほぼ同時期に現代の主流になっている“ローマ字入力”や、その前から存在した“JISかな入力”などと同様に、親指シフトはかな漢字を変換する為に使用されてきました。

日本語入力をする上で効率と使い心地のふたつのバランスを富士通は何度も試行錯誤されました。現代ではローマ字入力が主流ですが、「TAと打つと“た”」と打つことになり、手間もかかります。ですが“かな入力”の場合はキーボードに書かれたひらがなを入力するだけで打てるようになります。

「キーボードを押すことで1文字を打てる親指シフトキーボード」は当時画期的だと人気になり、このキーボードに触れた人の中には「一度親指シフトを使うと他のキーボードが触れない」というファンが出てくるほどの絶大なる支持を獲得しました。

OASYSの“文字入力の効率の良さ”に、ワープロからパソコンに移行してきたユーザーが多く、2020年の今も愛用しているユーザーもいるほどの人気ぶりです。現代でも小説家や入力のプロの方が使用しており、「入力スピードが全然違う」ということと「タイピングによる指疲れが少なくなること」が最大のメリットとして挙げられており、“かな入力”と親指シフトを駆使しているユーザーが存在しています。政府官庁、作家、速記者、脚本家、ライター等、文章作成の多い場面で幅広く活用されています。

親指キーボードはどう使われてきた?

親指シフトは効率の良さを売りにしていたこともあり、覚えるととても使いやすいのですがその反面、“かな”の配置を覚えるまでがすごく大変というデメリットも抱えていました。配列表を基に習得のためにとにかく練習するしかなく、文字入力の快適さを手に入れるために苦悩しながらも時間をかけて取り組んだユーザーも多いと思います。

現代はローマ字入力が主流なこともあり、親指シフトキーボードそのものがノートパソコンには、ほぼ搭載されておらず、デスクトップパソコンでも別売のキーボードを買う必要があります。日記を書く人やオンラインで小説を創作している方にとっては今も“かな入力”は重宝されていますが、ローマ字入力が主流になってきてからは使う人が如実に減少しているのも現実にあります。

一方で、パソコンスクールに通う年配の方が“かな入力”で打鍵を教わる時に使用されたり、障がいを抱える方がパソコンを使う時にも打ちやすく設計されているので“かな入力”の利点も多く、両手を使えない重度の障がいを抱えている方が口や足で操作するなど使い方は多種多様です。

もうひとつ、文字キーを押すタイミングによって文字を打ち分ける“同時打鍵”の判定の難しさもあり、使っているキーボードによっては普段の押し込みで反応してくれないものもありました。特に濁音が付く文字の同時打鍵が難しいこともあり、高速入力を取得しても、その日のキーボードの
調子の悪さによっては誤入力に繋がってしまい、同時打鍵がうまくできない人も多かったと思います。

親指キーボードの販売停止の理由は?富士通の見解は?

富士通のOASYSシリーズは80年代の日本語ワードプロセッサーに採用されてきましたが、JIS配列のキーボード・パソコンの普及に伴い、富士通以外のメーカーは親指シフトキーボードを採用しなくなっていきました。

JIS配列のキーボードでは両手親指が置かれる位置にスペースバーを置き変換のしやすさに重きを置くが、親指シフトキーボードでは左手親指が置かれる位置に「親指左」「親指右」というキーが配置されており、親指キーとほかの文字キーを同時に打鍵することで効率よく日本語入力が出来ました。

富士通が目指していたのは「タイプライターと同じような感覚で日本語入力が出来ること」でしたが今はJIS配列のキーボードが主流になっていき、親指シフトを使うユーザーが少なくなっていきました。

タブレットを使う機会が増えつつある中、親指シフトキーボード用のエミュレータが有志の方々によって開発されていますがiPhoneやiPadではOSの制限によりエミュレータ自体が存在しないことになっており、親指シフトキーボードと同じように使いたくても使いこなすことができない仕様になっています。

タブレットやスマートフォンの普及によりキーボードに触れる文化自体が少ない事もあり富士通は「親指シフトの機能の優位性を十分に訴求できない状況が続いた」と説明した上で
「これまでは事業の継続の為に業務の効率や商品価格を上げてきたが、やむなく販売・サポートを終了する」と説明しました。

OASYSの最新版(V10.0)の個人販売は2020年9月末で終了、3年後の2023年9月末でサポートを終了し、法人販売も2021年5月末で終了、3年後の2024年5月末でサポートを終了します。

まとめ

富士通が編み出した親指シフトキーボードに助けられているユーザーはたくさんいるだけに、このキーボードの販売終了は熱狂的なファンにとっては悲しいニュースです。親指シフト愛好者は効率を最優先しているので、このキーボードが無くなっても使い続けていくと思います。

これを機に親指シフトキーボードの存在を初めて知ったユーザーも、ぜひ1度触れてみてください。

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