八ッ橋メーカー億単位の赤字のわけ?倒産も?観光客激減が影響か?

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京都の観光土産と言えば、菓子類が多く、八つ橋が土産の約4割(生八つ橋と八つ橋で、ほぼ半々)を占めています。八ッ橋の売り上げの大部分は、観光客の京都土産です。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、外国からのインバウンドが無くなり、国内はホームステイが叫ばれ、京都の観光客が激減しています。

八ッ橋の売り上げも、激減しています。2020年6月に、八ッ橋メーカーの井筒八ッ橋本舗(京都市右京区)津田純一会長兼社長(70)が、インタビューに、「今春の売り上げは、およそ例年に比べて8割減です。

開店休業でなくて休店休業です。億単位の赤字です」と答えています。八ッ橋製造メーカーは、本当はどれだけの赤字なのか?八ッ橋製造メーカーは、今後どうなるのか調べてみました。

どの八つ橋メーカーが、いつと比べてどれだけの赤字なのか?

京都土産として売られている「八ッ橋」は、江戸時代に誕生し、名前の由来は不明ですが、筝曲の八橋検校の箏の形にしたとか、「伊勢物語」の「三河国八橋」に由来するとか言われています。

八ッ橋がいつ生まれたかは、江戸時代の1689年頃に八ッ橋の原型が誕生したと言われています。お米の粉と砂糖・ニッキを使って焼いたお菓子でした。

八ッ橋が、人気になったのは、明治時代に京都駅で販売されてからです。1960年代に、粒あん入りの生八つ橋が生まれて、代表的な京都土産になりました。京都八ッ橋商工業協同組合(1940年設立)には、14社の製造業者が属しています。

代表的な八ツ橋製造メーカーの売り上げと損失を紹介します。

◎本家西尾八ッ橋(元禄に創業し、1689年(元禄2年)に八ッ橋の原型が誕生した)。代表商品はあんなま詰め合わせ・一口おまん、売り上げの大部分が、八ッ橋、生八つ橋によるものです。

2020年6月3日から純米シフォンケーキを販売再開しています。

売上高は不明ですが、主たる商品が八ッ橋関係なので、新型コロナウイルス関連の損失は、数億円になると推定されます。

◎聖護院八ッ橋総本店(1689年に聖護院の森の茶店として創業、八ツ橋の製造販売を開始)。売り上げの大部分は八ッ橋、生八ッ橋によるものです。売上高23億8千万円(2016年10月期)。

新型コロナウイルス感染症対策として、2020年4月9日から4月27日まで(本店)の営業を休業し、他の店は5月27日以降まで営業を休業しました。

新型コロナウイルス感染症関連の損失は、数億円であると推定されます。

◎美十(1957年から八ッ橋製造を開始、1966年から餡入り八ッ橋「おたべ」の製造を開始)。売上高79億8300万円(2019年3月期)。

八ッ橋の売り上げは、全体の約3割で約24億円。八ツ橋以外に、京ばあむ、高級食パン「別格」、ショコラなどの商品を製造販売しています。新型コロナウイルス感染症関連の損失は、全体で数億円以上あると推定されます。

◎井筒八ッ橋本舗(1805年(文化2年)創業、昭和47年水上勉の小説に由来する餡入り八ッ橋「夕子」を販売)。売上高29億2千万円(2017年6月期)。

新型コロナウイルス感染症のために、祇園本店と嵯峨野店以外は、休店しました。

津田純一会長兼社長が、インタビューで億単位の赤字と言っています。

今回調査した、主な八ッ橋製造メーカー、本家西尾八ッ橋、聖護院八ッ橋総本店、美十、井筒八ッ橋本舗の全ての会社で、新型コロナウイルス感染症による損失は、去年の同時期に比較して、各社数億円の赤字になると推定されます。

代表的八ッ橋メーカーを調べました。会社によって、商品の中で、八ッ橋の占める割合に差があります。会社の方針によって、各八ッ橋メーカーは進む方向が違います。今後、どこが生き残るのか、会社の内容から独断と偏見をもとに推定します。

八ッ橋メーカーは今後どうなっていくのか?どこが生き残る?

今回調査した八ッ橋メーカーの中で、最も生き残る可能性のあるメーカーは、美十だと思います。美十の事業内容は、和・洋・生菓子の製造・販売です。

1966年に、つぶ餡入り生八つ橋「おたべ」を発売した後発企業ですが、常に新しいことに挑戦しています。テーマパーク事業やOEM事業もしていて、景気後退の影響を受けにくい会社です。

本家西尾八ッ橋は、2020年6月3日から純米シフォンケーキの販売を再開しています。米粉100%と卵で焼き上げたシフォンケーキは、フルーツやホイップクリームなどを添えて、アレンジできます。八ッ橋だけに依存した経営から脱却して、生き残りを図っています。

聖護院八ッ橋総本店は、「継続ということの本当の意味を常に忘れることなく、私たちはこれからも京都で八ッ橋を作り続けていきます」と、時代に対応して、八ッ橋を作り続けると言っています。独自の販路づくりのために、聖護院八ッ橋総本店は、八ッ橋を公式オンラインショップで販売しています。

井筒八ッ橋本舗は、1994年の平安建都1200年記念協賛事業として、生八ッ橋の工場見学を、追分店で行っています。業界で初めて、見学できる生八ッ橋の生産ラインを開設し、観光客の人気を集めています。

 京都観光は、外国人、日本人共に、人気があります。新型コロナウイルス感染症も、1~2年で終息すると思います。終息後には、以前同様に、京都へ観光客が押し寄せると思います。

今後、数年は、八ッ橋製造メーカーも苦しい時期が続きます。しかし、この時期を乗り越えて、生き残れば、以前のにぎわいが戻ると思います。しかし、今回の苦しさを、教訓にして、企業体質の強化を期待します。

八ツ橋元祖はどっち?なぜ元祖争いするのかそれどころじゃないのでは?
京都で定番の土産は、「八ッ橋」で、米粉をこねて、砂糖とニッキ(シナモン)を加え、蒸したものを薄く伸ばして焼いた焼き菓子です。 1960年代に生まれた「生八ッ橋」は、蒸して薄く伸ばした生地を焼かない生地です。「生八ッ橋」は、生地だけのも...

まとめ

北海道小樽市に、洋菓子店「ルタオ」があります。この店は、鳥取県米子市に本社のある寿スピリッツの傘下にあります。寿スピリッツは、長崎の土産「九十九島せんべい」、「横濱ミルフィユ」などを作る会社も子会社です。寿スピリッツは、全国各地に土産用菓子の製造子会社6社と販売子会社11社を持っています。

今後は、八ッ橋製造メーカーも、寿スピリッツのように、京都の土産にこだわらず、日本各地の土産用菓子の製造に乗り出すことも、生き残っていく道であると思います。

今回の新型コロナウイルス感染症による主力製品の売り上げの激減に負けずに、八ッ橋製造メーカーが、さらに企業体質を強化して、発展することを祈っています。

 

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