2021年3月19日に第44回日本アカデミー賞の授賞式があり、各賞が発表されました。今回は日本映画154本、外国映画210本が選考対象になりました。優秀作品は、「浅田家!」「男はつらいよ お帰り寅さん」「罪の声」「ミッドナイトスワン」「Fukushima 50」の5本でした。
2021年第44回日本アカデミー賞の最優秀作品賞は「ミッドナイトスワン」、最優秀アニメーション作品賞は「劇場版 鬼滅の刃 無限列車編」、最優秀主演男優賞は草なぎ剛「ミッドナイトスワン」、最優秀主演女優賞は長澤まさみ「MOTHER マザー」、最優秀助演男優賞は渡辺謙「Fukushima 50」、最優秀助演女優賞は黒木華「浅田家!」が受賞しました。
◎最優秀作品賞「ミッドナイトスワン」
「ミッドナイトスワン」は脚本・監督が内田英治で草なぎ剛、服部樹咲が出演した映画です。
トランスジェンダーの凪沙(草なぎ剛)は、東京のニューハーフクラブで働いています。育児放棄した母親の元で育ち、親の愛情を知らない少女・桜田一果(服部樹咲)が東広島から上京し、凪沙が面倒を見ることになります。一果はバレエ学校に通います。バレエのコンテストの日に、田舎から母親が上京して一果を連れ帰ります。
凪沙は、母親になるために、タイで性転換手術を受けます。女性になった凪沙は、一果を連れ戻すために東広島へ行きます。凪沙と一果の2人の感情の変化を草なぎ剛さんと服部樹咲さんが演じた感動する映画です。

◎最優秀主演男優賞・草薙剛「ミッドナイトスワン」
草なぎ剛さんが、トランスジェンダーの役を演じて最優秀主演男優賞を受賞しました。
草なぎ剛さんは、別名義チョナン・カン、1974年7月9日生れ、愛媛県西予市出身、株式会社CULEN所属の俳優、歌手です。1987年中学1年生でジャニーズ事務所に入所しました。1988年4月にSMAPのメンバーに選ばれました。2016年にSMAPが解散し、2017年9月9日にジャニーズ事務所を退所しました。2020年12月30日に一般女性と結婚しました。

◎最優秀主演女優賞・長澤まさみ「MOTHER マザー」
長澤まさみさんは、ゆきずりの男と関係をもつ生活を送っている自堕落で奔放な女・秋子を演じました。彼女の息子・周平(奥平大兼)は、母親しか頼るものがなく、社会の底辺で生きて行く母と子の絆を描いた映画でした。
長澤まさみさんは、1987年6月3日生れ、静岡県磐田市出身、東宝芸能所属の女優です。1999年の第5回東宝「シンデレラ」オーディションに応募し、35153人中、最年少(12歳)でグランプリに選ばれ、芸能界入りしました。2000年公開の映画「クロスファイア」で映画デビューしました。
長澤まさみさんは、2003年に「ロボコン」に初主演し、第27回日本アカデミー賞新人俳優賞、2004年に「世界の中心で、愛をさけぶ」で第28回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、2006年に「涙そうそう」で第30回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、2011年に「モテキ」で第35回優秀主演女優賞、2015年度に「海街diary」で第39回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、2017年に「散歩する侵略者」で第41回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、2019年に「キングダム」で第43回日本アカデミー賞優秀助演女優賞、2020年に「コンフィデンスマンJP-プリンセス編」で優秀主演女優賞を受賞しました。
長澤まさみさんは、優秀主演女優賞を数回受賞していますが、最優秀主演女優賞は今回が初めてです。

◎最優秀助演男優賞は、渡辺謙「Fukushima 50」
映画「Fukushima 50」は、門田隆将「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を原作に、若松節朗監督が映画化しました。2011年3月1日の東北太平洋沖地震により発生した福島第一原子力発電所の事故対応に従事した約50人の作業員を描いた映画です。主演が佐藤浩市さんで、渡辺謙さんは、吉田昌郎・福島第一原発所長を演じました。
渡辺謙さんは、1959年10月21日生れ、新潟県魚沼市出身、ケイダッシュ所属の俳優です。1979年に芥川比呂志演出の演劇集団「夜叉ケ池」附属の研究所に入所し、蜷川幸雄演出「下谷万年町物語」のオーディションを受け、主演しました。1982年に演劇集団「円」の劇団員になり、「未知なる反乱」でTVデビューしました。1984年に「瀬戸内少年野球団」で映画デビューしました。
第22回(1998)「絆」、第25回(2001)「千年の恋 ひかる原子物語」、第26回(2004)「陽はまた昇る」で優秀助演男優賞、第30回(2006)「明日の記憶」、第33回(2009)「沈まぬ太陽」、第37回(2013)「許されざる者」で優秀主演男優賞を受賞しました。
渡辺謙さんは、優秀助演男優賞を数回受賞していますが、最優秀助演男優賞は今回が初めてです。


◎最優秀助演女優賞・黒木華「浅田家!」
映画「浅田家!」は、家族写真で注目を集めた写真家・浅田政志の実話をもとに、中野量太監督が映画化しました。浅田政志は写真専門学校に進学し、卒業制作で家族を被写体にして学校長賞を受賞しました。家族を撮影した写真でプロの写真家として歩み始めたときに、2011年3月11日に東北太平洋沖大地震が発生し、被災地で写真の力を知ります。
黒木華さんは、浅田政志の幼なじみ・川上若菜を演じました。
黒木華(くろき はる)さんは、1990年3月14日生れ、大阪府高槻市出身、パパドウ所属の女優です。京都造形芸術大学芸術学部映画学科俳優コース卒業です。追手門学院高等学校で演劇部に所属しました。2011年に「東京オアシス」で映画に初出演しました。2014年に山田洋二監督の「小さなおうち」に出演しました。
黒木華さんは、2013年「舟を編む」「草原の椅子」で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞、2014年に「小さいおうち」で第38回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、2015年に「母と暮らせば」で第39回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、2016年に「リップヴァンウインクルの花嫁」で第40回日本アカデミー賞優秀主演女優賞、2018年に「日日是好日」で第42回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞しました。
黒木華さんは、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を3回目の受賞をしました。


まとめ
第44回日本アカデミー賞の受賞作品と受賞者について調べました。
日本アカデミー賞の受賞者の今後の活躍を祈っています。
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