2021.4.10.





2021年4月7日現在、全国的に新型コロナウイルス変位型の感染者数が増加していて、2月末から3月末にかけて全国において1週間当たりの感染者数は14倍に急増したことが分かりました。
厚生省にコロナ対策を助言する専門家組織は、変異株が関西圏を中心に感染急拡大しているので不要不急の移動を避けることを求めています。
全国の変異株の感染者は、3月22日から28日で767人いて、兵庫県が201人、大阪府が180人と多くいました。一部の患者を検査して、兵庫県は75%、大阪府は54%、東京都は3%が変異株でした。
ゲノム解析し、兵庫県は100%、大阪府は96が%が英国型変異株「N501Y」でした。兵庫県と大阪府は、まん延防止等重点処置の対象になっています。
変異株「N501Y」は従来のウイルスと比べて、10歳未満の子供の感染割合が高く、実行再生産数が従来株の1.32倍になり、感染力が高い特徴を持っています。
4月5日に、東京都で新規感染者249人中、変位ウイルスに感染した人が22人確認され、変位株の感染拡大が懸念されています。東京では変位株「E484K」の感染者が多く、免疫やワクチンの効果を低下させる可能性があります。
変位ウイルスの種類と特徴を紹介します。2021年3月25日に、WHOが「懸念される変異株=VOC」に挙げているのは、イギリスで見つかった変異ウイルス、南アフリカで見つかった変異ウイルス、ブラジルで広がった変異ウイルスの3種類です。

◎イギリスで見つかった変異ウイルス
2020年12月にイギリスで見つかり、兵庫、大阪で報告されている変異ウイルスです。正式名称は「VOC-202012/01」です。「N501Y」と呼ばれる変異が生じています。「スパイクタンパク質」の501番目のアミノ酸がアスパラギン(略号N)からチロシン(略号Y)に変わっています。
イギリス形変異ウイルスは、従来のウイルスと比較して、感染力が36%から75%高くなり、重症リスクが高くなっている可能性があります。
◎南アフリカで見つかった変異ウイルス
南アフリカで見つかった変異ウイルスで、正式名称は「501Y.V2」です。この変異ウイルスは、「N501Y」の変異と「E484K」の両方の変異があります。「E484K」は、484番目のアミノ酸がグルタミン酸(略称E)からリシン(略称K)に変わっています。
南アフリカ形変異ウイルスは、従来のウイルスと比較して、感染力が50%高く、病院での死亡率が20%高いと言われています。
◎ブラジルで広がった変異ウイルス
ブラジルで広がった変異ウイルスは、日本の空港検疫で見つかりました。南アフリカ形変異ウイルスと同様に「N501Y」と「E484K」の両方の変異が起こっています。
ブラジル形変異ウイルスは、従来のウイルスと比較して、感染力は高いと言われていますが、重症度は同程度と見られています。
以上の他にも、フイリッピンで「N501Y」の変異がある変異ウイルスが、日本国内で「E484K」の変異だけの変異ウイルスが見つかっています。感染者が増えるほど、変位ウイルスが多く出てくるので、今後も新しい変異ウイルが出る可能性があります。
◎ワクチンについて
次に、ワクチンの変異ウイルスに対する効果について調べました。ワクチンは、現在、ファイザー社製、モデルナ社製、アストラゼネカ社製があります。
アストラゼネカ製ワクチンは、英国で成人から稀な血栓発生の事例がでたため、英国で調査中です。韓国において、アストラゼネカのワクチンは、血栓塞栓症との関連性が高まったことから、60歳未満への接種を一時中断しています。アストラゼネカは、日本では2月に承認申請済みで、5月以降に承認される見込みです。
日本で承認されているコロナ用のワクチンは、2021年4月8日現在はファイザー社製のみです。モデルナ社製ワクチンは、3月5日に武田薬品工業から厚生労働省へ製造販売承認が申請され、承認は5月以降の見込みです。
ファイザー社の報告によると、イスラエルと南アフリカにおける臨床試験結果を解析して、変位ウイルスに対してワクチンは、感染予防効果を示しました。ワクチンの効果が接種後6ケ月続いています。実験室のデータでは、イギリス型変異に対してファイザー社製ワクチンは有効だと公表されています。南アフリカ形変異ウイルスとブラジル形変異ウイルスに対しては、ファイザー製ワクチンの効果が低下する可能性があると報告されています。
南アフリカとブラジルの変異ウイルス中の「E484K」の変異が、ワクチンの効果を減少させる可能性があると報告されています。東京で増加している変異ウイルスは、「E484K」の変異が認められるので、ワクチンの効果を下げる恐れがあります。
4月9日から、東京都に新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」を適用することを、政府が検討しています。沖縄、京都など感染拡大している府県への適用も考えています。
まとめ
変異ウイルスによる感染が増えています。変位ウイルスは、感染力と重症化率が高くなり、未成年者もかかりやすい可能性があります。ワクチンは、変異ウイルスに対して効果が低下すると言われていて、今後の医療体制が心配です。今回は、増加している新型コロナの変異ウイルスとワクチンについて調べました。
新型コロナウイルス感染症が、早期に収束することを祈っています。
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