2021年7月31日に、東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が初めて4000人を越えて4058人になりました。東京都の新規感染者数の7日間の平均は、前週の2倍以上の217%で感染爆発の状態になっています。
東京都の担当者は「連日、1日の感染者の数が過去最多を更新し、極めて切迫した状態だ。人出を減らさないと感染の拡大は止められない」と現在の状況を危惧しています。
人手を減らすために東京都都市封鎖ロックダウンの可能性があるのか調査しました。



東京都都市封鎖ロックダウンの可能性は?
新型コロナウイルス感染症の感染爆発が始まっている東京都で東京五輪が行われ、日本勢の取った金メダルは7月31日現在17個で、過去最多になっています。
夜遅くなって、午後8時過ぎに飲食店の明かりが消え始めたJR原宿駅の周辺のコンビニからポリ袋を持った若者が代々木公園の方へ向かっています。若者たちは「飲酒自粛」の看板が目立つ園内で缶チューハイをあおっていました。若者は大学の同級生で「公園なら換気もいい」と久しぶりに会って飲んでいました。
東京都の7月31日時点の自宅療養者が1万人を越して、必要な人の入院が難しくなり始めています。東京都の自宅療養者は29日8477人、30日9793人、31日1万392人と毎日感染者数が更新されて、急激に増加しています。
7月30日に菅義偉首相が記者会見を行い、東京都、沖縄県の8月31日までの緊急事態宣言の延長、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府への8月2日から8月31日までの緊急事態宣言の発出、北海道、石川県、京都府、兵庫県、福岡県への31日までのまん延防止等重点措置の実施を発表しました。
新型コロナウイルスの感染拡大の大きな要因はデルタ株によるものです。アルファ株より感染力が1,5倍高いデルタ株に置き換わっているので、さらに感染拡大することが予測されます。東京都では65歳以上の感染者数は、4月までの20%から2%台に低下しているのが唯一の救いです。
夏休みもあり、お盆の時期を迎え、外出や移動の機会が増えています。人流を抑えるためには、東京都の都市封鎖ロックダウンしか大きな効果が期待できる対策は無いように思えます。
菅義偉首相は「五輪が始まっても、交通規制やテレワーク、さらには皆さんの協力で、人流は減少傾向にある。さらに人流を減らせるよう、自宅でテレビなどを通じて声援を送っていただくことをお願いする。」と外出を抑制するように話しています。
岩手県の達増拓也知事は30日の記者会見で「欧州級の感染状況だ。東京はロックダウン(都市封鎖)的なことが求められていると思う」と大胆な対策が必要だと話しています。
政府の分科会の尾身茂会長は30日の記者会見で「今、感染が非常に大きく拡大し、多くの人が大変な事態になったと思い始めている。この機会を逃せば増加する感染に歯止めを掛けることが難しくなる。今、対策をしないと手遅れになる」と危機感を示しました。
さらに尾身会長は「医療のひっ迫が起きれば、一般の医療にも影響が出て、救える命が救えなくなる。重症者の数だけを見ていると誤った判断につながる。高濃度の酸素を必要とする中等症の患者の数や入院調整中の患者数、自宅療養の人の数もコンスタントに見ることが非常に重要だ。こうした指標を見ながら、これから仮にどんどん状況が悪くなれば、全国を対象にした緊急事態宣言なども間髪入れずに行う必要が当然出てくる」と、さらに厳しい対策の必要性を話しています。
東京都ではロックダウンは難しいので、次の段階では全国への緊急事態宣言の発出が予想されます。
感染者爆増はいつ縮小?
政府によると、7月30日時点で1回以上のワクチン接種を受けた人は38.4%、2回の接種を受けた人は27.6%です。アメリカでは全人口の49.4%、イギリスでは成人の88.4%が1回の接種、71.4%が2回の接種を受けています。日本のワクチン接種は欧米より遅れています。
東京都で7月30日までにワクチン接種を2回接種した人が340万人になっています。ワクチン接種が遅れています。ワクチン接種を加速するため、アストラゼネカ社製ワクチンが40代以上の接種に承認されました。さらにワクチン接種の加速が期待できます。
菅義偉首相は今後の対策として「東京の感染者数の増加要因と指摘されるのはデルタ株の急速な広がりだ。専門家からは夜間の繁華街の人出低下が不十分といった指摘も頂いている。飲食店への協力金の早い支給や見回りも徹底する。ワクチン接種こそが決め手で、総力を挙げて進めていく。」とワクチン接種の加速により感染を抑えると話しています。
尾身会長は「今、最も重要な危機に直面している。ワクチンは日々、接種率が向上し、もうしばらく頑張れば、今より自由に経済・社会活動を再開できる見通しが出てきている。比喩的に言えば、火事が燃え盛りつつあるので早く下火にすることに集中すべきだ。」とワクチンにより抑制される見込みがあると語っています。
小池知事は「対策の的はだんだん絞られてきている。50代の方にはワクチン接種をできるだけ早くしていただくと同時に、若い方々にはマスク着用の徹底など基本的な部分を守っていただくとともに、ワクチンを打っていただけるような体制を整えていく。これまでのいろいろな経験や知見などを重ねながらコロナ対策を進めていく最後の夏にしたいので、しっかり受け止めていただきたい」と語っています。
ワクチン接種が進み、若者が進んでワクチン接種を受けるようになれば、新型コロナウイルスの感染爆発は収束すると期待できます。収束時期は、20代から50代の人のワクチン接種により変化しますが、9月以降になる可能性もあります。



まとめ
今回は東京都に都市封鎖ロックダウンがあるのか調査しました。東京都のロックダウンは難しく、次の段階は全国的な緊急事態宣言の発出であると思います。
新型コロナウイルスの早期の収束を祈っています。
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