2021年10月31日に、第49回衆議院選挙の投票と即日開票が行われました。自民党が261議席を獲得し、改選前の議席より15議席減りましたが、全議席の半数の233議席を大きく越えました。自公で絶対安定多数を確保しました。
神奈川13区の甘利明幹事長は、1996年の小選挙区比例代表制導入後に初めて、現職幹事長が小選挙区で敗北しました。立憲民主党新人・太栄志(ふとり ひでし)氏に敗けました(その後、比例で復活した)。
神奈川13区 開票結果
当選130124 太 栄志 立新
124595 甘利 明 自前 公(比例で復活)
TBS系選挙特番で、甘利明氏の落選について、爆笑問題の太田光から「戦犯ですね?」「ご愁傷さまでした」などの質問を受けて、「そうですかね」と答え、進退問題を質問されると「そういうことを聞く番組ですか」と不愉快な顔をしていました。
選挙負けの甘利明の政治とお金の黒い噂について調べました。


選挙負けの甘利明の政治とお金の黒い噂とは?
甘利明氏は、現職幹事長として小選挙区で落選したのを受けて「自分の政策をこれからどうしていくかの思いが、選挙区で届ききれなかったのは私の力不足。不徳の致すところ。しっかり精進して、選挙区と国民の皆様方の信頼に応えられるように頑張りたい」と述べました。
甘利明氏は、自身の政治と金の問題について「私自身が金銭授受にかんでいないということを何度も何十回も申し上げている。いくら説明しても届かないというのはジレンマを抱えております」と答えています。
甘利明は2016年、都市再生機構(UR)と補償交渉をしていた建設会社から秘書が少なくとも500万円、自身が100万円受け取っていたという疑惑があります。金銭を受け取った疑惑で経済再生担当相を辞任しました。
神奈川県大和市の喫茶店で、甘利明TPP担当大臣の公設第一秘書・清島健一が、千葉県白石市の建設会社「S」の総務担当・一色武氏から20万円を受け取ったときから、甘利明の政治とお金の疑惑が始まります。
一色武氏は「清島所長に渡した二つの封筒の中には現金が十万円ずつ入っています。知人に頼まれて、ある外国人のビザ申請で便宜を図ってもらおうと、甘利事務所の力を借りていました。秘書が動くには経費がかかると所長から言われたため、この日、十万円を所長に、もう一つの封筒は政策秘書の方に渡してくださいという意味で預けたのです。」と話しています。
一色武氏は、甘利武TPP担当大臣(当時)と握手している写真を示し「この日、私は甘利大臣に現金50万円を渡しました」と語りました。
2014年2月1日に、神奈川県大和市の甘利事務所で、甘利明TPP担当大臣に会った一色武氏は「大臣と面会したのは、当社とUR(独立行政法人都市再生機構)の補償交渉をめぐる案件で、口利きをお願いするためです。私が資料をお見せしながら案件について説明した後、現金の入った封筒を渡すと、大臣は『ありがとう』と言って、封筒を受け取りました。後になって『受け取っていない』と否定されないために、面会する3日前の1月29日、私は横浜銀行東海大学駅前支店で50万円をピン札に両替しています」と当時を振り返っています。
一色武氏は、2013年以降、甘利明大和事務所所長の清島健一(公設第一秘書)や政策秘書の鈴木陵允(りようすけ)氏にも現金を渡していました。
東京地検特捜部は2016年5月31日、あっせん利得法違反と政治資金規正法違反が問題になった甘利明と秘書について不起訴処分(嫌疑不十分)としました。この処分を不当として検察審議会に申し立てが行われました。
甘利明は1949年8月27日生まれ、神奈川県厚木市出身、慶応義塾大学法学部政治学科卒業です。
幹事長職はどうなるクビか?
テレビ東京の開票速報番組で池上彰氏のインタビューに答え、甘利明氏が小選挙区で苦戦したのは「全国から落選運動を強烈にやられ、誤解が広がった」などと釈明しました。
選挙期間中、元東京地裁特捜部で弁護士の郷原伸郎氏が、甘利明が千葉県の建設会社から現金を受け取った問題を追及しました。甘利明の政治とカネのビラを配り、街頭演説もしました。
郷原信郎氏は「甘利氏は『妨害を受けた』と不満を述べているようだが、抗議は一切ない。具体的に指摘して欲しいし、公開討論をしましょう。いつでもウェルカムです」と語っています。
甘利明は選挙戦で苦戦が伝えられ、選挙戦終盤には全国遊説の予定を中止し、自身の選挙区に張り付いて選挙戦を展開しました。公明党の支持母体である創価学会の婦人部は「政治とカネ」を巡るスキャンダルに拒絶反応が強く、票が伸びませんでした。
Twitterで甘利明氏は「この選挙必ず勝たねばなりません。私甘利明には夢があります。日本をもう一度世界一にすると云う夢です。その夢を叶える使命が私にはあります。必ず夢を叶えてみせます」と呼びかけました。Twitterに、現金問題を批判する投稿がありました。
甘利明氏が小選挙区で敗北したのは、2016年経済再生担当相のときの現金授受問題が影響したと見られています。甘利明氏は比例南関東ブロックで復活当選しましたが、幹事長として責任を感じています。
甘利明氏は「幹事長は選挙の責任者。自身がどういう状況であれ、全体の成果について責任を負う。すべて終わった時点で、岸田総裁に今後のことを相談したい」と述べています。
11月1日に岸田文雄首相は甘利明氏の辞任に伴い、後任として茂木敏充外務大臣を新しい幹事長に起用する方針を固めました。
茂木敏充(もてぎ としみつ)氏は1955年10月7日生まれ、栃木県足利市生まれ、東京大学経済学部卒業、ハーバード大学ケネディ行政大学院修了です。
まとめ
今回は政治とお金の疑惑も関係して、小選挙区で落選した甘利明幹事長の政治とお金について調べました。甘利明は幹事長を辞職する意向で、岸田文雄首相の判断に任されていました。
岸田文雄首相は、後任の幹事長に茂木敏充外務大臣を起用する方針です。政治とお金の疑惑が解明されて、国民のための政治が行われることを祈っています。
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