ワリエワ出場の理由は?メダル獲ったら授与式なし?スポーツ仲裁裁判所の要保護とは?

スポーツ
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2022年2月14日、スポーツ裁定裁判所(CAS)は、禁止物質トリメタジジンに陽性反応が出ていたROC(ロシアオリンピック委員会)のフィギュアスケート女子選手のカミラ・ワリエワ選手の北京冬季五輪への出場を認める裁定を下しました。

ワリエワ選手は、フィギュアスケート混合団体でROCが優勝したのに貢献しました。しかし、2021年12月のドーピング検査でトリメタジジンが検出されていたことが分かりました。混合団体は2位アメリカ、3位日本でしたが、まだメダル授与が行われていません。

ワリエワ選手は、CASの裁定により2月15日から始まるフィギュアスケート女子の個人戦へ出場できることになりました。

ワリエワ出場の理由、メダル獲ったら授与式なし、スポーツ仲裁裁判所の要保護について調べました。

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ワリエワ出場の理由は?

CASが禁止物質に陽性反応を示したワリエワ選手の五輪への出場を認めた裁定理由について、15歳のワリエワ選手が、世界ドーピング機構(WADA)の規則で「要保護者」に当たるためです。

裁定に当たり「公平性、均整、回復不能な損害、利害の相対的バランスという基本原則」を考慮し、ドーピング検査結果の報告が遅れたことにワリエワ選手の責任はないためです。

スポーツ仲裁裁判所の要保護とは?

CASのリーブ事務局長は「まずこのアスリートは16歳未満であり、まだ規定の下では要保護の人物。また昨年12月に行われた検査で、アスリートを出場禁止にすると言うことは、この選手に対して、害をもたらすと判断した」ため出場させると説明しました。

国際オリンピック委員会(IOC)は、CASの裁定は「ドーピング陽性反応への疑いが晴れることを意味する裁定ではない」としています。延期されているフィギュア団体戦の金メダル授与は、大会期間中は実施されません。

ワリエワ選手が女子シングル競技で3位以内に入った場合はメダル授与式を行いません。IOCは、全ての問題が解決したあとでメダル授与式を行う予定です。

カミラ・ワリエワ選手の北京冬季五輪出場への批判

各国のフィギュアスケート選手から、カミラ・ワリエワ選手がフィギュアスケート女子個人へ出場するのを認めたCASの裁定について批判するコメントが出ています。

韓国のキム・ヨナさん(2010年バンクーバー冬季五輪のフィギュア女子個人で金メダルを獲得)は、INSTAGRAMに「ドーピングを違反した選手は競技に出場できない」として更に「この原則は例外なしに守られなければならない」とワリエワ選手の出場に反対しています。

タラ・リピンスキーさん(1098年長野五輪フィギュア女子個人で金メダルを獲得)は「年齢や検査の時間に関係なく出場を許されるべきではない」と反対のコメントを出しています。

ジョニー・ウイアーさん(米国の元男子フィギュアスケート選手)は「陽性反応が出た選手を違反のない選手たちと一緒に出場させるべきではない」とワリエワ選手の出場を批判しています。

米国オリンピック委員会のハーシュランドCEOは「公平な場で競うという選手の権利を否定する」と反対しています。

世界反ドーピング機関(WADA)のウイトルド・バンカ会長は、ワリエワ選手の関係者を徹底的に調査し、責任者は生涯資格停止処分にすべきだと述べています。今後はロシア反ドーピング機関(RUSADA)が調査を担当します。

バンカ会長は「子どものドーピングは邪悪であり、許されるべきではない。医師やコーチらサポートスタッフが未成年者に運動能力が向上する薬物を提供していた場合、生涯資格停止となるべき。個人的には刑務所に入れられるべきだと思う」と厳しい処置を要求しています。

ワリエワ選手の心境

カミラ・ワリエワ選手は、ドーピング違反による暫定資格停止処分を解除され、北京冬季五輪のフィギュア女子個人に出場できるようになったことを「五輪に参加できてうれしい。国の代表として最大限の努力をしたい。これは私が乗り越えなければならないステージのようだ」と語っています。

ワリエワ選手は「ここ数日は感情的に難しい日々だった。うれしいけど、精神的に疲れた。だから、この喜びの涙と少しの悲しみがある」と今の心境を述べています。

更にワリエワ選手は「この困難な時期に私にとって非常に重要なもの。私は一人だと思っていたが、親しい友人や家族は決して私を見捨てない」と多くの支援に感謝しています。

◎カミラ・ワリエワ選手について

カミラ・ワリエワ選手は2006年4月26日生まれ(2022年現在15歳)、ロシア・カザン生まれ、モスクワ在住、タタール民族、Sambo70所属のフィギュアスケート女子選手です。

ワリエワ選手は2009年にスケートを始め、2012年にモスクワへ移り、2018年からエテリ・トウトベリーゼ・コーチは指導しています。エテリ・トウトベリーゼ・コーチの指導した選手には、平昌冬季五輪でフィギュア女子個人金メダルのアリーナ・ザギトワ選手もいます。

ワリエワ選手のドーピングに関する陰謀説

ワリエワ選手のコーチのエテリ・トウトベリーゼ・コーチは「取り巻く状況はとても複雑で難しい。多くの疑問があるが、限られた回答しか得られていない。私は、カミラが完全に潔白だと信じている。証明するまでもない。正義が勝つことを望んでいる」と自信はドーピングに関与していないと語っています。

エテリ・トウトベリーゼ・コーチは、昨年12月の検査結果が北京冬季五輪の開催中に発表されたことに関して「偶然の一致か、とてもよく仕組まれた計画の可能性がある」と陰謀の可能性を主張しています。

ロシアのサッカー界の大物であるドミトリー・セリョク氏はワリエワ選手について「偉大なアスリートは、時に競技上のライバルや、意地悪なものとも戦わなければならない。ワリエワの絶対的なリードを快く思わない人が、彼女の食べ物に何かを混ぜた可能性は否定できない」と、陰謀説の根拠を語っています。

ワリエワ選手のドーピング疑惑は、今後時間をかけて解明されると思われます。

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まとめ

今回は昨年12月に採取したサンプルからドーピング薬品が見つかりながら、スポーツ裁定裁判所(CAS)において北京冬季五輪のフィギュア女子個人へ出場が認められたワリエワ選手に関して調べました。

ワリエワ選手は15歳であるため、CASの規則上で「要保護者」に当たり、「公平性、均整、回復不能な損害、利害の相対的バランスという基本原則」を考慮し出場できることになりました。

北京冬季五輪のフィギュア女子個人の競技が無事に終わることを祈っています。

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