2022年2月7日に行われた北京冬季五輪の新競技・スキージャンプ混合団体において、日本の高梨沙羅選手ら4カ国の5人の女子選手がスーツ規定反で失格になったのに対して、各国から怒りの声が上がっています。
2月9日に高梨沙羅選手がInstagramで「私の失格のせいで皆の人生を変えてしまった」と投稿しています。調査によると審判員が通常と違ったやり方を用いたので、スーツ規定違反になり失格したことが分かりました。
スキージャンプ判定員一覧高梨沙羅選手のスーツ違反判定を決めたのは誰か調べました。



スキージャンプ判定員一覧違反判定を決めたのは誰?
スーツ規定違反の判定に関係した審判員は
・ポーランド人女性審判員のアガ・バチコフスカ
・フィンランド人男性審判員のミカ・ユッカラ
の2名です。
アガ・バチコフスカ(スーツ違反判定を決めた女子審判員)
“アガ”ことアグニエスカ・バチコフスカさんは、国際スキー連盟から派遣された機材検査官(マテリアル・コントローラー)兼コーディネーターです。
ポーランド出身でスキージャンプの経験は一切ありません。バチコフスカさんは、2011年にFISに就職したときに「自分自身はスキージャンプの経験はないが、何とかFIS職員になった。選手であったならば、その経験は間違いなく生きるが、この仕事を遂行するための必要不可欠な条件ではない」とスキージャンプの経験のないことは関係ないと述べています。
さらにバチコフスカさんは「このスポーツを愛し、完全な知識を持っていれば、元選手と同じレベルの仕事をできる。選手でないことが原因で不足している要素は、全て補える」とジャンプを愛し、知識を持っていれば仕事はできると語っています。
ドイツのスポーツ専門誌「キッカー」に、ドイツのカタリナ・アルトハウスら5選手を失格にしたバチコフスカさんのコメントを掲載しています。バチコフスカさんは「責任はいい加減なチームの方にあると発言した」と失格になったのはチームの方にあり、審判員として責任を感じていないと話しています。
バチコフスカさんは、批判に対して「もし、10センチも大きいスーツを着ている選手がいたら、どうしろというのですか? お願いしますよ! そんなのは肉眼でも分かるのですから」「こんなことが五輪の舞台で起きるとは考えもしていませんでした。どのチームもこの試合に向けて真剣に準備してくるものと思っていました」とチームが悪いと反論しています。
2月13日に北京市内で会見を行った伊東団長は「今すぐこのルールに対して我々が抗議するということではない。今後この規定に関してはスキー連盟を通していろいろ話し合いながら、抗議ではなく改善を求めていく可能性はある」と、国際スキー連盟へ抗議しないと述べました。SNSには抗議すべきとの声が上がっています。
高梨沙羅選手だけでなく、各国の選手からも「これまでと違う採寸方法だった」という証言が出ています。
高梨沙羅選手は、全日本スキー連盟(SAJ)の聞き取りに「検査方法がいつもと違う」と回答しています。
女子選手は通常スパッツをはいたまま太ももを測定していましたが、今回はスパッツを脱がされて測定し、太ももが細く測定されたためにスーツとの差が規定より2センチ大きくなり失格になりました。
腕も通常は体から30センチ離した位置で検査をうけますが、今回は万歳をするように言われた。検査方法が違うと言って、やり直しを求めたが認められませんでした。
検査員バチコフスカさんに、スキージャンプの経験が無いために測定方法を間違ったことも考えられ、抗議すべきだという声が上がっています。
ミカ・ユッカラ(突然介入し大混乱を招いた男性審判員)
通常は女子ジャンパーの検査には、男子審判員はいないのですが、スーツ規定違反で5人の女子選手の失格者が出たときは、男性審判員ミカ・ユッカラさんが女子の検査に突然介入し、大混乱を招きました。
通常は女子選手はスパッツをはいた状態で太ももを計測するのですが、ミカ・ユッカラが介入しスーツ違反判定で失格者がでたときは、スパッツを脱がせていました。
ミカ・ユッカラさんは1963年7月30日生まれ、フィンランドのラハティ市出身、若いころはスキージャンパーとしてフィンランドの国内大会に参加していました。
ミカ・ユッカラさんは2007年~2017年、ノルディックスキー世界選手権の競技のチーフを務めました。現在は「国際スキー連盟 装備コントローラー スキージャンプ」を務めています。
スベン・ハンナバルト(2002年ソルトレークシティ五輪団体金メダリスト)は「ユッカラがルール厳守を示すのはいいことだが、よりによって五輪でこの厳しさは・・・。女子選手にとって厳しすぎた」と介入したことを批判しています。
ジョセフ・グラッツアー(3月までコントローラーをしていた前任者)は「僕にとって、今の彼は試合場に立つべき人間ではない」と、失格者が出て修羅場になったことに怒りをぶちまけています。
ミカ・ユッカラさんには、異性の測定を担当、通常の測定と違うやり方を実施、長時間拘束しあら探し、責任を他人に押し付けるなどのセクハラ疑惑、パワハラ疑惑も出ています。
まとめ
今回はスキージャンプ混合団体で、通常と違う測定方法でスーツ規定違反の失格者を出して、高梨沙羅選手ら女子選手5名を失望させたスキージャンプ審判員について調べました。
ポーランド人女性審判員のアガ・バチコフスカさんとフィンランド人男性審判員のミカ・ユッカラさんの2人が、今回の異常事態を起こした審判員であることが分かりました。
北京冬季五輪が無事に終わることを祈っています。
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