ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続き、ウクライナの各地で戦闘が続いています。
ウクライナで民間人が殺害され、犠牲者の数が増え続けています。両手を縛られたり、拷問を受けた痕があったり、頭を銃で撃たれた犠牲者の遺体が多数見つかっています。
ウクライナ侵攻をロシア国内でどのように報道されているのか調べました。



ウクライナ侵攻ロシア国内ではどのような報道されている?
3月2日に、ウクライナの首都キーウのテレビ塔をロシア軍のミサイルが砲撃しました。そのときに、ロシアのテレビ局は、ウクライナの都市を攻撃しているのはウクライナ軍だと伝えていました。
3月1日午前5時30分に、ロシア国営テレビ局「チャンネル1」の番組「グッドモーニング」は、ニュースや時事問題の話題をいつもより多く伝えてしました。
司会者は最初に「インターネット上ではフェイクとしか言いようのない映像が流れ続けています」と説明しました。
モスクワのNTVテレビは朝の番組でウクライナ東部ドンバス地方の話題を取り上げました。
ウクライナ東部ドンパス地方において、ウクライナの非武装化・非ナチ化のためにロシア軍が「特別軍事作戦」を開始していると放送しました。
ロシアで人気のある国営放送のチャンネル「ロシア1」と「チャンネル1」は、ドンバス地方でウクライナ軍が戦争犯罪を犯したと非難しました。
「ロシア1」のアナウンサーは「ウクライナ市民を脅かしているのはロシア軍ではなく、ウクライナのナショナリストだ」と語りました。
「チャンネル1」のアナウンサーは「ウクライナ軍が民間人とロシア軍に対して挑発行為を行い、民家の砲撃を準備し、倉庫をアンモニアで爆撃しょうとしている」と説明しました。
ロシアの報道機関は、ウクライナで起きていることを戦争と呼んでいません。攻撃は軍事インフラを標的にした非軍事化作戦、または「人民共和国を防衛するための特別軍事作戦と表現しています。
ロシアの国営テレビは、ロシアによるウクライナにおける特別軍事作戦とソ連のナチス・ドイツに対する戦いに類似性があると強調しています。
「ロシア1」の姉妹チャンネル「ロシア24」の朝の番組の特派員はウクライナについて「連中はまさにファシストそのもののように行動する。ネオナチは武器を民家の横に設置するだけでなく、子供が地下室に避難している家のそばにおいている」とレポートしています。
テレビの説明は、プーチン大統領の「ウクライナが女性や子供、高齢者を人間の盾にしている」という主張に沿って行われています。
西側諸国が「ロシアのウクライナ侵攻が期待通りの戦果をあげていない」と報道しているのに対して、ロシアのテレビは「ロシアの作戦は大成功」だと繰り返しています。
朝のニュースで「ウクライナの1100以上の軍事インフラ施設が使用不能になり、数百の機器が破壊された」と戦果を報道しました。
テレビでは、ロシア軍の死傷者数は放送されていません。
ロシアのニュースでは、ウクライナ東部以外の都市に対するロシア軍の攻撃については放送していません。
国営テレビの特派員は、ロシア軍がキーウやハルキウで住宅地を砲撃したことを報道していません。
ハルキウの住宅地を砲撃したのはロシア軍でなく、ウクライナ軍だと放送しています。
「ロシア1」は「ハリコフを攻撃して、ロシアがやったと言っている。ウクライナは自分の街を砲撃して、西側にうそをついている。しかし自国民をだますことはできるだろうか」とロシア軍が住宅地を砲撃したという報道はフェイクニュースだと言っています。
ロシアのテレビ局は政府の公式見解に沿った報道をするように義務付けられています。
独立系のウエブサイトやソーシャルメディアは、死んだ兵士や捕虜の画像を流すので、規制を強められています。
TikTok、グーグル、Twitter、Facebookなどへのアクセスが制限されています。
監督機関がメディア各社に、ロシアの公式情報源のみを使用するように指示しています。
独立系民間テレビ局「ドシチ」はアクセスがブロックされます。
ロシア政府のプロパガンダか?
ロシアの国営メディアは「戦争」「侵攻」「侵略」という言葉は使いません。「平和実現のための武力行使」「特別軍事作戦」という政府の公式見解を用います。
外国メディアから「ロシア軍がウクライナの都市を砲撃した」と報道しても「ロシア政府はそんなことはしないと約束したから、絶対にそんなことはしない」と信じ切っている人がいます。
ロシアの国営テレビは、プーチンのプロパガンダになっていて、ロシア人は西側の報道を頭から信じていません。
民間の世論調査機関「レバダセンター」が3月24日から30日まで、18歳以上のロシア国民1632人に対面で調査した結果が報じられています。
国営テレビのプロパガンダにより、ウクライナ侵攻後の支持率は、
「プーチン大統領の活動を支持する」人が83%
「支持しない」人が15%
になり、2021年11月の支持率63%から大幅に高くなっています。
まとめ
今回は、ウクライナ侵攻を報道するロシアのテレビ番組の内容を調べました。特別軍事作戦はウクライナ人のために行われていると報じられれています
国営テレビのプロパガンダにより、ウクライナ侵攻後のプーチン大統領の支持率が上昇しています。
ロシアのウクライナ侵攻が、早期に終わることを祈っています。
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