アダルトビデオ(AV)の撮影などで生じた被害を救済するための「AV出演被害防止・救済法案」が、5月27日、衆院本会議において全会一致で可決されました。
参院での審議を経て、6月はじめに成立する見込みです。
AV救済法案とは、成人年齢引き下げによる影響について調べました。
AV救済法案とは?成人年齢引き下げによる影響か?
AV救済法案は、与野党6党による実務者会合で5月13日にまとめられました。
AV救済法案の柱は、出演者の年齢や性別に関わらず、AVの公表から1年間は無条件に契約解除ができる。今後2年間に限り、契約解除期間を2年間に延ばす特例措置も盛り込まれました。
仮に無条件の契約解除をしても、出演者に損害賠償を求めることはできません。
出演契約の際に、性行為の内容を記した書面を出演者に渡すことが義務付けられます。
出演者が特定されるおそれを説明することが、制作や公表する側に義務付けられます。
金銭の授受を伴う契約で性行為を行うことの問題点について、今後2年以内に検討します。
【見出し2 約800文字】未成年者取り消し権とは?
今回の法案は、2022年4月から成人年齢が引き下げられたために制定されました。
「未成年取消権」は、従来は18歳や19歳であれば、保護者の同意のない契約を無効にできました。
2022年4月1日から、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたため、18歳、19歳は「未成年取消権」の範囲から外れました。
成人年齢引き下げにより変わること
(18歳になったらできるようになること)
・各種の契約が保護者の同意なしに可能になる(クレジットカード、携帯電話、ローンなど)、車を買いたい、1人暮らしをしたいときに、ローンを組むとか、アパートの契約ができるようになります。
・有効期間が10年のパスポートの取得
・性同一性障害の人の性別変更の申し立て
・公認会計士、司法書士などの資格取得
・裁判員に選ばれる
・女性が結婚できる年齢(16歳から18歳に引き上げ)
変わらないこと(20歳にならないとできないこと)
・飲酒や喫煙
・競馬や競輪など4つの公営ギャンブル
・国民年金に加入する義務が生じる
成人年齢を18歳へ引き下げた理由
世界的に成人年齢を18歳にするのが主流になっています。
・憲法改正に関する国民投票の投票権が18歳に決められました。
・公職選挙法の改正により、選挙に投票する年齢を18歳からに引き下げました。
社会的に重要な事項の決定に、18歳以上から参加してもらおうという動きになっています。
民法でも、成人年齢を18歳にしようと議論され、2022年4月1日に民法が改正されました。
2016年にOECD(経済協力開発機構)が加盟国の成人年齢を調べました。
18歳を成人年齢にする国(2016年)、アメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリア、オランダ、カナダ、ギリシャ、スイス、スウエ―デン、スペイン、ドイツ、フランス、など
19歳を成人年齢にする国、韓国
20歳を成人年齢にする国は、2016年の時点では、日本とニュージーランドの2か国でした。
アメリカとカナダは、州により成人年齢が異なり、一部の州は19歳や21歳にしています。
18歳・19歳に考えられる消費者トラブル
1.マルチ商法、情報商材などによる副業トラブル
ネット上でアルバイトを見つけ、副業サイトに登録したら、「手数料」や「登録料」を請求され、10万円以上を支払った事例がありました。
「簡単に稼げる」と広告していても、うのみにせずに「登録料」や「手数料」などを要求する副業サイトには注意が必要です。
2. エステや美容医療などの美容トラブル
二重まぶたの手術で、宣伝を見て相談に行きました。その日に手術して、その後1週間、腫れがひかなかったという事例があります。
施術の前に、値段などを検討し、高額な費用の分割払いなどは、すぐに契約しないようにします。
3. サプリメントや化粧品の定期購入トラブル
ダイエットサプリメントが500円と宣伝していたので、注文したら定期購入の契約になっていて、解約料5000円を請求された。
通信販売にはクーリングオフ制度が無いので、契約する前に継続購入になっていないか確認する必要があります。
4. マッチングアプリや出会い系サイトに関するトラブル
SNSで知り合った相手と出会い系サイトでやりとりしていると、必要経費10万円を要求された。
SNSで知り合った相手が信用できるかどうか判断して、怪しいと思ったときは利用しないようにします。
5.クレジットカードや消費者金融からの借金に関するトラブル
パソコンをリボ払いで購入し、1年以上支払ったが残高が予想より高額になっていた。
クレジットカードをリボ払いで利用すると、残高に利息が付くので支払いが高額になることがあります。クレジットカードの仕組みについて理解して利用することが大切です。
まとめ
今回は、国会で制定された「AV救済法案」について調べました。成人年齢が18歳まで引き下げられたので、AV以外の注意すべきトラブルについても紹介しました。
18歳で成人になった若者が、トラブルに巻き込まれないことを祈っています。
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