投手に転向した中日・根尾昂選手が、6月19日、バンテリンドームナゴヤでの巨人戦の9回2死から登板しました。「ピッチャー根尾」のアナウンスに観客およそ3万人がどよめいて、拍手しました。
根尾投手は、巨人の4番・岡本和真内野手に投球し空振り三振させました。試合は先発の柳裕也投手の7イニングの4失点があり、3-5で敗れました。
ドラゴンズ根尾投手転向の理由について調べました。
ドラゴンズ根尾投手転向の理由は?
中日・立浪監督が、交流戦の終わった6月13日に根尾選手の投手転向を発表しました。
立浪監督は「次のカードからピッチャー登録にします。投手を主にやります。ベンチには5回くらいまではいるので代打で出ることもあるかもしれないけど、基本は投手としてどんどん使っていく方針です」と根尾選手に対する方針を明らかにしました。
今まで投手でプロ入りした選手が野手へ転向し成功したことは多数あります。早稲田実業の王貞治さん(元巨人)、法政二の柴田勲さん(元巨人)、など、いずれも甲子園優勝投手でしたが、プロで野手に転向し成功しました。
しかし、野手から投手へ転向し成功するのは難しいと言われます。
甲子園のスター選手である根尾選手が、投手へ転向するのは異例で、大きな波紋を呼びました。
根尾選手は、大阪桐蔭高校時代に投手経験があり、2017年、2018年の春の選抜で2年連続して優勝投手になりました。
甲子園春夏連覇した年のドラフト会議で、中日、巨人、ヤクルト、日本ハムの4球団が1位指名しました。中日が交渉権を獲得し、中日入りしました。
入団時は「ショートでレギュラー」のポジションが目標でしたが、1年目(2019年)の1軍出場は2試合、2年目(2020年)は9試合でした。3年目(2021年)は「8番・レフト」で出場しましたが、72試合に出て打率.178、本塁打1本の結果で終わりました。
立浪監督は「根尾をブレイクさせるのは自分の使命」と考えています。いつも根尾選手が活躍できるポジションを考えています。その結果が、今回の「投手転向」につながりました。
根尾選手の打力向上が見込めない現状で、活躍できるのは経験のある投手だと思われます。
根尾選手は、5月21日の広島戦で、板倉選手への初球が150キロのストレートで、投手として非凡なものがありました。
中日の立浪監督は試合後に「投手の方が彼の能力が生きる。そこが一番ですね。いきなり150キロのスピードが出るし、まだ2試合ですけどあの状況でストライクが入る。これからまだまだ球種も磨いていきながら将来的には先発を目指してほしい」と今後の根尾投手に期待しています。
根尾昂選手のプロフィール
根尾昂(ねお あきら)は2000年4月19日生まれ、岐阜県吉城郡河合村(現・飛騨市河合町)出身、中日ドラゴンズ所属のプロ野球選手です。
根尾昂さんの父親・浩さん、母親・実喜子さんは二人とも自治医科大学卒業です。飛騨市で地域医療に携わる医師です。
3歳年上の兄・根尾学さんも投手として野球をしていました。兄・学さんは岐阜県立斐太(ひだ)高校へ進学し、最初はバスケットボール部に入部しました。
しかし高校1年の1月に野球部に移り、高校3年夏に岐阜県大会で決勝進出しました。決勝戦で岐阜城北高に敗れ甲子園へは行けませんでした。兄・学さんは岐阜大学医学部へ進学しました。
5歳上の姉・春陽さんは富士大医学部看護学科卒業の看護師です。
根尾昂さんは、河合小学校2年生のときに、「古川西クラブ」に入団し野球を始めました。主として投手と三塁手を務めました。
古川中学校では、「飛騨高山ボーイズ」に所属し、投手と遊撃手を務めました。中学3年で146キロを出し、「スーパー中学生」と注目されました。
大阪桐蔭高校へ進学し、1年夏からベンチ入りしました。2年夏から主力として投手、遊撃手、外野手を務めました。
2018年10月25日のドラフト会議で4球団から指名され、中日が交渉権を獲得し、契約金1億円、出来高5千万円、年俸1500万円で仮契約を結びました(金額は推定)。
野手はやらない?実力や実績はあるのか?
立浪監督は根尾選手の今後の起用法について「投手メインで、登板しない日は野手としてベンチ入りもある」と、二刀流でいく方針を示しています。
根尾選手は、大阪桐蔭高校時代に、投手、遊撃手、たまに外野手の経験があり、二刀流に戸惑いはないと思われます。
中日に1961年に入団してエースとして活躍した権藤博氏は「私は入団当初から投手で起用すべきだと思っていました。甲子園の胴上げ投手ですから、プロでもまずピッチャーで勝負して、ダメなら野手を選択肢にすればよかった」と最初からピッチャーで行くべきだったと語っています。
中日OBで2度の最多勝に輝いた吉見一起氏は「もともと”投手・根尾”に魅力を感じていましたし、今回の挑戦については大賛成です。ただピッチャー専念となると、やらなければいけないことが多いですし、すぐに通用するほど甘い世界ではありません。それに『投手がダメだったら、また野手で』というわけにはいきません。相当の覚悟が必要になると思います」と覚悟をもって投手に挑戦してほしいと語っています。
大リーグ・パドレスのダルビッシュ有投手はTwitterに「根尾投手、素晴らしいですね スライダーも一級品です」と高評価しています。
さらにファンの質問に「プロで投手経験がほとんどないのに、あれだけの球をストライクゾーンに投げられているだけで凄いです!課題というか伸び代しかないなという印象ですね」と答えています。
まとめ
今回は野手から投手へ転向することが発表された、中日・根尾昂選手について調べました。
根尾選手は、投手と野手の二刀流でいくことが分かりました。
今後の根尾選手の投手としての活躍を祈っています。
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