厚生労働省は宗教虐待やネグレクトに関する初のガイドラインをまとめ発表しています。「地獄に落ちる」などと脅す宗教活動の強制や「宗教2世」虐待などの具体例を明記して適切な対応を示しました。
宗教虐待やネグレクトに関する政府の方針を調べました。
宗教虐待やネグレクトに関する政府の方針は?
宗教虐待やネグレクトに関する政府の方針を示した厚生労働省の加藤厚生労働相は「宗教の信仰などを背景とする児童虐待事例の整理や、児童相談所や市区町村が相談対応に当たる際の留意点などを盛り込んでおります。宗教の信仰を含め理由のいかんを問わずに、児童虐待は決して許されるものではありません」と語りました。
政府の方針を示すガイドラインは「身体的虐待」「性的虐待」「ネグレクト」「心理的虐待」に対応しています。
政府の方針1.「身体的虐待」に関するガイドライン
1.背景に宗教等の信仰があっても、児童に暴力を加えることが「身体的虐待」に該当する。
2.宗教活動等への参加を強制することで、児童の身体に外傷が生じ、または生じるおそれのある体罰を行うことは「身体的虐待」に該当する。
3.礼拝、教義に関する講義などの宗教活動に参加させ、長時間にわたり特定の動きや姿勢を強要する等して身動きができない状態にする行為は「身体的虐待」に該当する。
政府の方針2.「心理的虐待」に関するガイドライン
1.「地獄に落ちる」「滅ぼされる」などの言葉や恐怖をあおる映像などで児童を脅すことは「心理的虐待」に該当する。
2.恐怖の刷り込みをおこなったり、児童に嫌がらせをすることは「心理的虐待」に該当する。
3.宗教活動への参加を強制したり進路などの児童本人の自由を決定を阻害することは「心理的虐待」に該当する。
4.児童と交友関係を持つものを「敵」「サタン」などで呼んで、児童に対して恐怖心を与えると「心理的虐待」に該当する。
5.児童の娯楽について、宗教を理由に禁止することは「心理的虐待」に該当する。
6.児童に対して宗教の布教活動を強いるような行為は「心理的虐待」に該当する。
7.児童のアルバイトで得た収入を児童本人の意思に反し、保護者が使用する行為は「心理的虐待」に該当する。
政府の方針2.「ネグレクト」に関するガイドライン
1.児童に対し、特定の宗教を信仰しないものとの交友や結婚を制限する行為は「ネグレクト」に該当する。
2.児童の社会性を阻害するような行為は「ネグレクト」に該当する。
3.宗教の信仰活動等で金銭を使い込み、児童に適切な住環境、衣類、食事等を提供しない行為は「ネグレクト」に該当する。
4.高校等への進学を児童本人が希望しているのに、宗教上の教義を理由として進学を認めない行為は「ネグレクト」に該当する。
5.医療機関の受診を合理的な理由なく認めない行為や、医師が必要と判断する医療行為(手術、投薬、輸血等)を受けさせないことは「ネグレクト」に該当する。
6.児童に対する適切な養育の確保や教育機会の確保等を考慮せず参加を制限する行為は「心理的虐待またはネグレクト」に該当する。
7.宗教活動への参加により、児童の養育等を著しく怠る行為は「ネグレクト」に該当する。
宗教虐待やネグレクトに関する政府の方針に対する宗教2世の評価
関東地方に居住する宗教2世(統一教会、30代)の女性A子さんは、政府の方針に対して「大きな前進。児童相談所などが踏み込みにくかった宗教的な虐待について、具体的な指針を示してくれた」と評価しています。
宗教2世のA子さんは、統一教会の合同結婚式で結ばれた両親のもとで生まれ、小さいころから協会に行き、「地獄を描いた」映画を見せられ、恐怖を植え付けられた。
小学校の頃から朝5時に起こされ統一教会の教義を音読させられ、やりたくないと言うと、両親に「サタンが入っても知らないよ」と心理的虐待を受けた。
子どものときは、虐待を受けていると気づかなかった。A子さんも合同結婚していて宗教3世を持つ親として「ガイドラインの内容は考えさせらる」と語っている。
エホバ輸血禁止強要は違反になる?
厚生労働省はキリスト教系宗教団体「エホバの証人」が行っているような子供への輸血を拒否する行為は「ネグレクト」の当たるとガイドラインで示しています。
厚生労働省のガイドラインを守らず、「エホバの証人」では子供への輸血を拒否を続けています。
「エホバの証人」の現役信者が「親は『子どもに輸血させることを拒否させなさい』というのが(教団から)文書で示された」と証言しています。
幼い子供が、事故や手術で大量出血しても「輸血を拒否するよう」に教団から求められています。
「エホバの証人問題支援弁護団」が、児童虐待防止に関する厚生労働省の指針に反し、子どもに輸血を受けさせないように信者を指導しているとして、厚生労働省へ通報した。「子供の命に関わる重大な問題だ」と指摘している。
まとめ
今回は政府が示している宗教団体の子供への虐待を防ぐためのガイドラインについて調べました。
「エホバの証人」はガイドラインを無視して輸血を拒否していることが分かりました。
政府のガイドラインが守られるように祈っています。
コメント