2023年2月2日に政府は児童手当の所得制限を撤廃することを検討しています。
岸田政権は児童手当を少子化対策のために拡充することを考えていて、一部の高収入世帯に支給しない所得制限を撤廃したいと考えています。
児童手当の所得制限撤廃の詳細について調べました。
児童手当の所得制限撤廃の詳細はどうなる?
日本では1971年から1974年まで第2次ベビーブームがあった後は、出生数が減少傾向を示している。
1973年に209万人あった出生数が、2021年には81万人まで落ち込んでいます。岸田文雄首相は「社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況」と危機感をあらわにしました。
岸田文雄首相は「異次元の少子化対策」を重要政策にしていて、与野党から児童手当の所得制限撤廃の要望があるため調整に入りました。
2023年3月末までに政府の関係府省会議で、少子化対策のための児童手当拡充のたたき台をまとめます。
4月の統一地方選までに少子化対策のための児童手当の所得制限撤廃と支給年齢を高校生まで引き上げるか詳細が明らかになると思われます。
春の統一地方戦後に財源確保策と実施時期について本格的に検討する予定です。
現在は中学生まで支給している児童手当を18歳まで引き上げる案についても検討してします。
政府は諸外国の少子化対策も参考にして政策を作成しょうとしています。諸外国の少子化対策について調べました。
諸外国の少子化対策1.ドイツの少子化対策
ドイツでは1970年代前半には合計特殊出生率が2.1であった。それが現在では1.36まで落ちている。
ドイツ政府は少子化対策として、従来の養育手当てに代わって新規の子育て支援制度の親手当を導入した。
親手当は、生後間もない子供の世話のために休職する親の収入減少を補填する。
従来の養育手当てが年間所得が3万ユーロ以下の低所得者が対象だったのに対して、親手当は高所得者にも受給資格を与え高所得者ほど高くなるように変えた。
ドイツの親手当の狙いは高学歴高収入の女性の出産を促すためである。ドイツでは、この他に児童手当、産休手当、各種税控除、産休、育児休暇、社会保険衣おける優遇措置などのサポート策がある。
ドイツと日本の少子化対策の制度を比較しました
産休中の所得補償 児童手当 育児休業給付金 託児費用の税控除制度
ドイツ 100% 154ユーロ(約21900円)
所得制限なし 休業前賃金の67% 年間1人上限
4000ユーロ
(約56.8万円)
日本 60% 3歳未満15000円
3歳から中学生まで
10000円
所得制限有り 休業前賃金の40% なし
諸外国の少子化対策2.フランスの少子化対策
フランスは過去の1世紀にわたって少子化対策をしてきました。少子化対策により1994年に1.66まで落ち込んでいた出生率が2006年に2.00まで改善されました。フランスの制度は、「産めば生むほど有利になる」システムです。
家族手当は所得制限なしに2子以上を養育する家庭に給付され、20歳まで支給されます。子供が1人の家庭には支給されません。
所得税の減税がN分N乗方式で行われ、特に3人以上の子供を育てている家庭に有利な仕組みになっています。
N分N乗方式は1946年にフランスで始まった税制で、家族の係数(大人1、子供2人目まで0.5、3人目以降は1として合計)したNで割って家族係数1当たりの所得税額を算出します。その値にNをかけて世帯全体の所得税額を出します。
N分N乗方式では、子供が多いほど税率が低くなります。
日本政府も「異次元の少子化対策」として、子どもの多い世帯ほど税金が減税されるN分N乗方式の導入の可能性を調べています。
第3子から支給される家族補足手当や子供3人を養育すると年金が10%加算される年金加算などもあります。高校までの学費は原則無料になっています。
諸外国の少子化対策3.イギリスの少子化対策
イギリスでは出産費用は無料で、公立学校の学費や医療費も無料です。子供がいる家庭への税金の返還もあり少子化対策をしています。
保育園に月約11万円の保育料がかかりますが、3歳から保育料の一部を負担する制度もあります。
少子化に歯止めをかけている諸外国の対策を参考に有効な方法を決めると予想されています。
子育て世代の実質負担額は増える?
政府は少子化対策の財源として年金、医療、介護、雇用の社会保険料の引き上げを検討しています。
子育て支援のために月額保険料を国民1人当たり数百円程度引き上げて積み立てて対象世帯へ支給する計画です。
岸田首相は「(少子化対策の財源は)雇用保険、医療保険をはじめ、さまざまな保険がある」と指摘しています。
子育て支援の財源を、子育て世代の保険料から捻出する内容で、ネットでは「子育てのための金を子育て世代から巻き上げてどうする」などと批判されています。
経済ジャーナリストの萩原博子さんは「現状でも社会保険料の引き上げが続いています。増税や保険料アップで給料の手取りが減る中、ただでさえ新型コロナ禍と物価高のダブルパンチに見舞われているのに、さらなる保険料の引き上げは国民の理解を得られるとは到底思えません」とコメントしました。
「異次元の少子化対策」のための子供予算倍増のための財源について、SNS上で「消費税増税しかないだろう。またしても景気の腰を折るつもりか」と警戒感が強まっています。
自民党の甘利明前幹事長が、少子化対策の財源に消費税率の引き上げも検討対象になると語りました。少子化対策の予算倍増なら新たに6兆円の財源が必要です。
少子化対策の財源6兆円を消費税で賄うと、税率が13%に上がり子育て世代の実質負担額が増えます。
まとめ
今回は低下している出生率を増加させるために「異次元の少子化対策」が行われたときの児童手当の所得制限撤廃の内容と子育て世代の実質負担増について調べました。
児童手当の所得制限については検討を始めた段階で3月頃に詳細が明らかになることが分かりました。
少子化対策の財源として、保険料とか消費税の増額が考えられ、子育て世代の実質負担増になることが分かりました。
少子化対策が有効に行われて人口減少が止まることを祈っています。
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