政府は2023年度から5年間の防衛費を40~43兆円に増額する方針であることが分かりました。防衛費が現在の総額の約1.5倍になります。
政府は年末までに2023年度からの「中期防衛力整備計画」の財源確保についても検討しています。
防衛費増額の財源確保はどこから出すのか調べました。
防衛費増額の財源確保はどこから?
自衛隊の反撃能力の保有が不可欠です。相手のミサイル基地をたたく反撃能力を保有することが急務です。
敵基地攻撃するために、早期に十分な数のミサイル配備が必要だと言われています。
相手の射程圏外から攻撃できる国産の「スタンドオフミサイル」や外国製ミサイルを今後5年で配備する計画です。
岸田首相は「わが国周辺の安全保障環境が急速に厳しさを増す中、領土、領海、領空を断固として守り抜くため、抑止力と対処力を強化することは政府・与党の最優先の使命だ。政府においてもNSC=国家安全保障会議での議論や有識者会議の報告書などを踏まえつつ関係大臣間で調整を加速していく」と防衛力増強の方針を述べました。
岸田政権は防衛力の抜本的な強化のため5年間の防衛費を増額することを検討していますが財源については決まっていません。
11月29日に開催した自民党の国防部会では、防衛費増額の財源確保のための増税に慎重論がでている。
複数の議員から国債の発行で賄うべきだとの意見がでました。
11月22日の防衛費増額に関する有識者会議の報告書は「幅広い税目による負担が必要」と書いています。
有識者会議の報告書は防衛費増額の財源として「幅広い税目」による増税を含めた国民負担が必要だといています。
防衛費増額の財源確保のための将来的な増税を提案しています。所得税や法人税が対象になります。
国防部会において、有識者会議の報告書に関して「増税を念頭においた議論が出てくるのは唐突だ」「税収の上振れ分を活用できないかという議論が先だ」と増税に批判的な意見が続いた。
財務省は防衛費増額の恒久財源の確保策を検討している。
岸田首相は防衛費と科学技術研究などの国防に有益な予算を合算して考えています。2027年度にGDP(国内総生産)比2%に増額することを検討しています。
従来の防衛省や海上保安庁の予算に加えて、研究開発、公共インフラ、国際的協力、サイバー安全保障の4つの分野も防衛強化の経費として計上するようです。
2027年度のGDB比2%の新たな防衛費は11兆円になるが、自民党の会合では防衛費増額分の中身を精査すべきとの意見が出ている。
小野寺五典安全保障調査会長は「問題は中身だ。どれだけしっかりとした防衛に資する予算が計上されるかが、これから大変重要だ」と今後の検討の重要性を強調した。
増税する税収先は?内訳は?
鈴木財務大臣は防衛力の増強には恒久的な財源が必要という認識を示しました。
鈴木大臣は「これまでの有識者会議でも、歳出改革を継続することを前提に財源措置を検討し、なお不足する財源については、税制上の措置も含め、多角的に検討する必要があることなどを申し上げ、おおかたの理解をいただいた」と、増税も含めて検討すべきと述べました。
増税の具体的な内容については、今後の防衛力増強の内容や規模を精査して決定します。
自民党の茂木幹事長は「日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、防衛力の抜本的強化は喫緊の課題だ。防衛費は、将来にわたって安定的に必要となる性格のものであり、まず歳出改革による財源捻出を検討するが、足らざる部分については、国民全体でどう負担するか検討を深めていく必要がある」と、歳出改革を行い不足する部分は国民の負担になると語っている。
自民党の世耕参院幹事長は「来年度は今のところ3兆円くらい税収が増える見込みで、その一部を充てれば国債を増発する必要もない。当面はそれで対応しながら、しっかりと国民の理解を得る時間に充てればいいのではないか」と、税収増を充てるべきだと述べました。
日本維新の会の藤田幹事長は「経済が非常に不安定な中で、簡単に増税したほうがよいという姿勢には賛同できない」と増税に慎重な姿勢を示しました。
公明党の山口代表は「与党で透明性のある議論を行い、合意をつくっていくことが大事だ」と、議論の必要性を主張している。
共産党の小池書記局長は「憲法違反の敵基地攻撃能力の保有と、国民生活を壊すような軍事費倍増の議論を直ちに中止することを求めたい」と防衛力の増強に反対しています。
増税する税収先と内訳は
自民党において防衛力増強の予算について検討中で、議論が税収先まで至っていません。
増税せずに国債を発行する案や税収増を充てる案などもでています。
防衛力増強のための増税については今後の議論に待ちたいと思います。
まとめ
今回は「反撃能力」を持つために防衛力増強による予算をどこから出すのか調べました。
増税については反対する議員が多く、2022年11月末現在、まだ税収先について決まっていません。
防衛力増強のための予算が早く決まることを祈っています。
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