2022年11月22日、文部科学省は旧統一教会に対して質問権を行使したと発表した。
内容については「法人の組織運営に関する規定文書、収支財産に関する書類、帳簿の報告」などを含みます。
旧統一教会への政府からの質問権内容について調べました。
旧統一教会への政府からの質問権内容は?
宗教法人審議会は、文部科学省が旧統一教会に行う質問権行使の内容について了承しました。
質問権は宗教法人が著しく公共の福祉を害する行為、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為などが疑われるとき文部科学省が実施することができます。
宗教法人法改正が1996年に行われて質問権の規定が出来てから、質問権の行使がはじめて行われました。
文化庁が旧統一教会へ質問権行使
文化庁は11月22日、旧統一教会へ宗教法人法に基づいて「質問権」を行使した。
回答期限は2022年12月9日です。質問権の内容は、詳細については非公表です。
教団へ送付した文書は、組織運営、財産・収支に関する書類や帳簿の提出を求める内容を含んでいる。
調査理由や質問項目を示した文書を、11月22日夕方、文化庁宗務課の職員が、送達記録の残る書き留で東京都内の旧統一教会の本部宛に郵送した。
旧統一教会の広報担当者は「文科省の意向に従い誠意を持って対応する」と質問権の行使についてコメントした。
文化庁の質問権とは別に、厚生労働省が養子縁組に関する質問状を送付した。
厚生労働省が養子縁組に関して質問状を送付
旧統一教会が信者の家庭間で養子縁組を行っているとの情報をもとに、事実関係を調べるための質問状を11月22日、旧統一教会へ送付した。
厚生労働省の質問状は、10項目の質問を含んでいる。養子縁組の成立件数、教団の関与、金銭授受の有無、海外の信者との成立件数などを質問した。
加藤勝信厚生労働相は「行政調査として実施するが、真摯に事実を回答していただきたい」と語った。
旧統一教会の広報担当者は「2000年以前には、子どもを授からずに困っていた信者に養子に出してもいいという信者を紹介していた期間はある」と2000年までは養子の紹介をしていたが「養子縁組をあっせん業としておこなったことはない」と業務としての斡旋はしていないことを強調した。
さらに広報担当者は「現在は信者の間での養子縁組が続けられているが、制度化したという経緯はない」と、現在旧統一教会は関与していないという。
実効性はある?解散命令の判決いつ?
文化庁は11月22日に、旧統一教会への質問権の行使を行った。今回は「組織運営」「財産・収支」が中心であった。
今後は複数回の質問送付や対面調査も予定している。
旧統一教会は、文化庁から郵送された質問権を行使した文書と厚生労働省と東京都が郵送した養子縁組についての質問書を11月23日に受け取った。
質問権行使の文書と質問書を受け取った旧統一教会は「誠心誠意回答に務める」とコメントした。
永岡桂子文部科学相は記者会見で「解散命令請求の適否について適切に判断するためにも、業務などに関して具体的な書類や証拠を伴う客観的な事実を明らかにすることが必要だ」と語った。
質問書を通した調査により、旧統一教会の行為に「組織性、悪質性、継続性」が認められれば、裁判所への解散命令請求を行う。
回答を拒んだり虚偽の報告をすれば、10万円以下の過料が科される。
質問権行使の実効性は、旧統一教会の組織的な不法行為を認めた民事訴訟判決を確認し、解散命令を請求できる判決を集められるかどうかに左右される。
旧統一教会の不法行為の民事訴訟判決が集まり、悪質性、継続性を確認できれば裁判所へ解散命令を請求できる。
永岡桂子文部科学相は「旧統一教会や信者等の行為に関する不法行為責任を認めた判決が多数ある」と語り、解散命令の請求の可能性を示した。
文化庁によると旧統一教会の組織的な不法行為の判決があると言われる。
岸田文雄首相は、民事訴訟判決について「過去に解散を命令した事例と比較して十分に解散事由として認められるものではない」と、今後の調査結果によると語っている。
文化庁宗務課の態勢を強化し、従来8人だった職員を38人に増員した。法務省、警察庁、金融庁、国税庁から職員の派遣を受けている。
12月9日までに旧統一教会から回答を得て、法務省、警察庁、金融庁、国税庁から派遣された職員の協力を得て、旧統一教会の違法性を見つける。
回答に不備があれば、再び質問書を送り、対面調査も行って聞き取りを行う。
解散理由があるか判断する時間がかかるので、最終的な決定には2~3か月以上かかる可能性がある。
まとめ
今回は旧統一教会へ郵送された文化庁の質問権の行使と厚生労働省の養子に関する質問書について調べました。
2022年12月9日が質問権行使の回答期限で、その後回答を検討して、旧統一教会へ解散命令を出すかどうか判断します。
カルト教団が解散して、新たな犠牲者のでないことを祈っています。
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